僕が何故フッ酸エッチングに魅かれたのかというと、それが光を増加させる唯一の技法だからです。
少々理屈っぽい言い方をするなら、グリザイユ絵付けを始めとするガラスの加工技術はすべて光を遮断することによって可視化するわけですが、エッチングは光をより透過させることによって可視化します。つまり、この技法を使うことで、ステンドグラスをより明るくすることができるのです。
花や鳥など具象的な絵をガラスに描いたとしても、その明るさが作品全体に与える影響を計算しながらエッチングをしなければなりません。
学生の頃、ヨーロッパのステンドグラスを見歩いたものの、エッチングについては勉強にも参考にもならなかったと、”ーその1-”で偉そうなことを書きました。僕が求めたのは、光を調節しようという明確な表現意識を持ってエッチングをしている作品でしたが、ひとつもみつけることができませんした。
そのあと何回かの研修旅行でも、これはという作品に巡り会うことなく現在に至っています。
よく覚えてませんが、どこにもないのなら自分でやってみようというのが、この技法を使い始めたきっかけだったのかもしれません。
”光の透過”ということに関して、フッ酸のエッチングにはもうひとつ重要な特質があります。
エッチングというと一般的にはサンドブラスティング加工のことを指す場合が多いのですが、サンドブラストでは加工面が白く濁って曇りガラス状になってしまいます。被せガラスをサンドブラストして色味は明るくなったとしても、光の一部は遮断されて、全体の透光量としては減衰する、つまり作品が暗くなる計算をしなければなりません。
見かけ上も、ブラスト面が広ければガラスの向こうの景色が見えなくなることになります。
フッ酸のエッチングは、ガラスの透明感をそのまま残すことができます。
もし必要があれば、液の濃度を調節することによって、ガラスに適度な曇りを与えることもできます。
僕が長い間、サンドブラストではなくフッ酸エッチングを続けてきたさらなる理由は、その作業性によるものです。
サンドブラストは、ゴーゴー、シューシューと機械の音をさせながら高圧空気でガラスに砂をたたきつける作業ですが、フッ酸は優しく静かに(換気扇の音はしますが)ガラスを筆で撫でながら進める作業です。
時間はかかります。しかし、エッチング加工のゆったりとした速度と僕の体内リズムがちょうど合っている感じがしますし、音楽を聴きながらの作業は快適です。
![]()
ステンドグラスの人気ブログランキングに参加しています。
ポチッと応援の一票を入れてくれたら嬉しいです。
東京で初めて絵付けの教室を持ったとき、どうしても必要だと力説して無理に作ってもらったエッチング設備ですが、僕自身ほとんどエッチングをした経験がありませんでした。
教えるための設備は万全、しかし教える内容が準備できていなかったのです。
それからは、休日や夜中に教室の設備を借りて実験や練習を繰り返し、覚えた技術を次の日すぐ生徒に教えるという自転車操業的教室運営を2年ほど続けました。おかげで、エッチングの基礎技法体系(大袈裟ですが)が自然に出来上がりました。
フッ酸によるエッチングを教室で教え始めてしばらくすると、事故の話を聞くようになりました。
そのころはフッ化水素酸液が薬局で簡単に買えたので、ガラスを溶かして図柄を描く方法があると聞きつけた人々が自宅で作業に及んだらしいのです。
風呂場で作業をして倒れ救急車で運ばれた、廃液を庭に捨て植木が全部枯れた、下水管を溶かして弁償した、家事用のビニール手袋が溶けた、服が焼けた、靴に穴が開いた・・・なんていう話を毎週のように聞かされ、これはまずい、重大な事故が起きる前に何とかしなければ、という事態になりました。
僕のせいか?と思いましたが、フッ化水素酸液というたいへん便利な薬品があるという話は以前からすでに広まっていたようです。
ただその危険性が正確に伝わっていませんでした。
フッ酸の危険性を訴えたプリントを作って、僕の教室以外の外部にも大量に配布しましたが、それでも事故のニュースはなくなりませんでした。
危険性を認識してもらうだけでなく、正しい使い方を知ってもらうことの方がより重要かもしれないと思いまして、ちょうど出版準備を進めていた技法書の中で詳しく説明することにしました。
1990年にその本を出版して以来、フッ酸の事故のニュースを聞くことはほとんどなくなりました。
フッ酸エッチングをやってみようという方は、是非そちらをご覧下さい。
絶版ですが、ときどき古本オークションに登場します。
「ステンドグラス絵付け技法」 (共著) 美術出版社 定価12,800円

フッ酸エッチング箱第3号の完成直後の写真が載っています。
ご覧の通り、さほど難しい設備ではありません。
要は、上水と下水があり、廃液の処理と換気ができれば良いだけです。
あとは、強酸用の手袋など安全用具を揃えること。
写真にある「防毒マスク」は、現在ボザール工房では使用していません。
ガスが作業箱の外に漏れるようでは非常に危険、ということで強力な業務用換気扇を使用し完全排気、マスクなしで作業しています。
エッチングについてはもちろんですが、その他の絵付け技法に関してもこれほど詳述されている文献は外国にもないでしょう。
独学で勉強しようという方の拠り所となるように、またすでに勉強したという方の辞書的な役目を果たせるようにと著したものです。
![]()
ステンドグラスの人気ブログランキングに参加しています。
ポチッと応援の一票を入れてくれたら嬉しいです。
パリの工芸学校の教室では、大型・小型の電気炉を始めとする絵付けに関する設備は立派なものでしたが、エッチングの作業環境は貧弱でした。
小さな流し台ほどの大きさの作業台をビニールで囲っただけ。排気が室内に漏れるため、誰かがエッチングの作業をすると、同じ部屋にいる生徒たちは全員ゴホゴホと咳き込み、目がヒリヒリして涙が止まらなくなる有様。今思うと、非常に危険な状況でした。
僕がいた3年間で、爪をはがしたり皮膚が焼けただれたりした事故が2件起きています。
帰国後、教室でエッチングを教えようということになったとき、パリの工芸学校みたいな、あんな設備では困る、もっと良いものを作らなければとは思いましたが、なにせ前例がなかったもので、すべて手探り状態でした。
箱の材料は?塩ビかアクリルだな。厚みはどのくらい?接着はどうする?
水周りの工事は?廃液の処理は?中和剤が必要か?
それより先に排気場所の確保だ。
肝心のフッ化水素酸液はどこで買うの?
手袋やマスクはどうする?
バットは?筆は?
役所に届けなくていいのか?
等々、多分1ヶ月くらいかかって、接着剤がはみ出し放題、多少歪みあり、しかし十分使用に耐える設備を完成させました。

現在のボザール工房の設備は27年前に作ったもので、僕の3作目です。
自力で作るのは大変ということが分かりましたから、これは専門の業者に頼んで作りました。
その後、他の工房のために監修という形で製作のお手伝いをした作業箱が10作くらいあります。
よりコンパクトにしたり倍の大きさにしたり、床に照明を付けたり、濾過槽を併設したりと、要望に応じたバリエーションがありました。
![]()
ステンドグラスの人気ブログランキングに参加しています。
ポチッと応援の一票を入れてくれたら嬉しいです。
フッ化水素酸によるガラスのエッチングを初めて体験したのは、パリの工芸学校においてでした。
入学して半年後くらいに、課題のメダイヨンパネルの一工程として習うのですが、そこでは”白抜き”という一番単純な作業をするだけ。以後、卒業までの3年間で、エッチングに関してそれ以上の技法を教わる機会は全くありませんでした。
課題のメダイヨン部分のデザインは自由でしたが、古典的なステンドグラスを参考にして、こんな感じのメダイヨンをつくりました。(現物ではない)
そのときの助教授(現教授)からは、もっとオリジナリティーのあるデザインを創作するべきと助言されました。しかし僕は、過去の人間がエッチングのデザインについてどう考えていたのか、同じものを作ることで学びたいと考えていたので譲りませんでした。
フランスにいる間に誰かにもっと教わりたいと思いましたが、エッチングに詳しいと思われる作家はどこにも見当たらず、文献を調べても技法に関する記述は皆無でした。
ヨーロッパ各地のステンドグラスを見て回りましたが、エッチング技法が使用されている例は非常に少なく、使われていても常に絵付けの補助的役割しか果たしておらず、ほとんど勉強にも参考にもなりませんでした。
帰国後間もなく、縁あって絵付けの教室を任されることになったとき、経営者から「必要なものは?」ときかれ、僕は即座に「電気炉とエッチングの設備」と答えました。
「電気炉は当然必要だろうけど、エッチング設備なんているの?後でもいいんじゃない?」という疑問の声に「何を言ってるんですか!電気炉なんか後でいいから、まずエッチング設備です!」ということで、幹部スタッフ総動員、エッチングの作業箱を自力で作ることとなりました。
30年前のことです。
![]()
ステンドグラスの人気ブログランキングに参加しています。
ポチッと応援の一票を入れてくれたら嬉しいです。
新しくなった野幌駅のすぐそばにギャラリーがオープンしました。

オーナーの清水茂子さんは、織物とアートフラワーの制作をされていて、現在は御自身の作品を展示されています。
御主人の清水昇氏は、建築関係の会社にお勤めで、インテリアコーディネーター協会の幹事もされています。
ギャラリーの内装も外装も、2年半かけて御主人がほとんど一人で仕上げたそうです。

当然のことながら素晴らしい出来栄え、内装を見るだけでも楽しめます。
御夫婦共に音楽が好きで自ら演奏もされますから、ギャラリーはときにコンサート会場になったり、パーティー会場になったりします。
ギャラリー名の”ステラ”にちなみ宇宙のイメージでと、ステンドグラス作品の注文をいただきました。
ギャラリーにはコーヒーが飲めるカウンター席があり、市内に店を持つ結城恵さんのケーキを味わうこともできます。
ステンドグラスはそのカウンターの真正面に飾っていただくことになっていました。
ギャラリーの”顔”とも言える場所、これで来場者の印象が左右されるかも、そう思うと責任重大、野幌駅の高架事業担当者同様、力が入りました。
ギャラリーでは、来週の25日から29日まで僕の個展を開催しています。
「ギャラリーステラ」
江別市東野幌本町5-6(JR野幌駅南口から徒歩1分)
11:00~17:00 Tel 011-389-3740
お近くの方は、どうぞJRでお越しください。
![]()
ステンドグラスの人気ブログランキングに参加しています。
ポチッと応援の一票を入れてくれたら嬉しいです。
僕は生まれも育ちも札幌ですが、工房が手狭になって、17年前、隣の江別市に引っ越しました。
そのとき、引越し先の候補地として、札幌の反対隣の小樽も考えられましたが、交通の便、子育ての環境など、いくつかの理由から江別に決めました。
実際に住んでみると、それまでの印象とは違うこともたくさんあることがわかりました。
江別では、JRの幹線が1本と、ほぼそれに平行して国道が1本、街の真ん中を貫いています。
札幌から見る江別というのは、結局のところ国道に面した街並みであり、たまに通過するJRの駅とその周辺の印象に過ぎません。
言うなれば”顔”だけを見て、全身の様子を判断しているようなものです。
全国的に、時には海外にも知名度が高い小樽市とは比較の対象にもされず、江別市の住民たちは役所と一体となって「江別はこんな所。こんなに良い街なんだよ」とアピールしていますが、効果は今ひとつのように見えます。
札幌からの移転組である僕は少々冷めた目で地元を見ているわけですが、どちらかと言われれば、今は迷うことなく江別市に肩入れしています。
さて、そんな江別ですが、数年前から工事していたJR線の高架事業が一段落し、明日23日、新しくなった野幌駅と共に開通式を迎えることとなりました。
かつては、ボザール工房に近い江別駅界隈が最も栄えた商店街でしたが、現在は野幌駅近辺に中心が移っており、市ではこの工事を街の「顔づくり事業」と位置付けて力を入れてきました。
新しい野幌駅。
南北に出入り口があり、これは南口外観。
JR北海道とデンマーク鉄道会社が共同で、「ひかり」をテーマにデザインしたものだそうです。
どことなく淋しげな雰囲気漂うのは、そのシンプルさのせいでしょうか、それとも曇り空が影響してるのか・・・。
大勢の力を結集して作られつつある江別の”顔”ですが、駅舎の外観はその一部です。
駅舎の内部や周辺の工事が終わった時初めて、工事を担当した人々がどんな”顔”を見せたかったのかがわかるでしょう。
僕としては駅や高架よりも、むしろその下の”顔”を楽しみにしています。
東京や大阪のガード下というのは実に楽しい場所でして。
![]()
ステンドグラスの人気ブログランキングに参加しています。
ポチッと応援の一票を入れてくれたら嬉しいです。
実りの秋です。
我が家の冷凍庫から氷やアイスクリームがなくなって、代わりにとうきびや枝豆、キノコにジャムが詰め込まれ、最後に鮭の切り身で満杯となります。
ジャガイモやカボチャも大量に収穫しますが、冬季は天然の冷凍冷蔵庫となる工房のガラス庫に保管し、春まで食べ続けます。
先週の日曜日、見事な秋晴れの日、ニセコへジャガイモ掘りに行ってきました。
ニセコは、えぞ富士とも呼ばれる「羊蹄山」の麓の小さな町ですが、スキーをやってる人なら誰でも知っている日本有数のスキー場があるところです。
最近はその”パウダースノー”がオーストラリアで有名になって、日本人より多いのではないかと思うほど、冬場は外国人で賑わうようになりました。

さてそのニセコに、いつもステンドグラスの取り付けを手伝ってくれているTさんが広い畑を持っていまして、誘われるがまま家族3人で出かけてきました。
本来なら春先の土おこしから夏の雑草取りまで、何度か手伝いに行かなければならないのですが、今年は忙しくてついに途中一度も顔を出すこともなく、収穫のときだけ手伝って分け前をもらうという超わがままを許してもらっています。

三女がジャガイモの間にエゾサンショウウオを発見しました。

獲れたジャガイモを天日で干している間に、バーベキューで昼食。
近くのペンションのオーナーが肉も野菜も準備してくれたうえに、焼き係までやってくれて、いたれりつくせりの贅沢なひととき。
この日は実は、ジャガイモ掘りの前に一時間ほど別なものを収穫しています。
ぶどうです。
普通のぶどうではありません。
ワイン用のぶどうです。
確か「シャルドネ」という品種。
隣にTさんの親戚のHさんのぶどう畑がありまして、そちらもちょうど摘み頃だったのです。
北海道でワイン用のぶどうの栽培は難しいと言われてきましたが、研究を重ねて最近ではヨーロッパにもひけをとらないぶどうができるようになりました。
そのまま食べてみると、濃縮されたような甘みと強い香りがあり、発酵して良いワインができそうな感じが素人にもわかります。
ここを手伝うのは、もちろんできたワインをせしめようという魂胆があってのことです。
ワイン1本分働いたかどうか怪しいものですが。
とにかく来年が楽しみ。
![]()
ステンドグラスの人気ブログランキングに参加しています。
ポチッと応援の一票を入れてくれたら嬉しいです。
ステンドグラスというと、日本ではティファニーランプに代表される照明器具を連想される方が多いようです。
この仕事を始めた30年前、観光地のショップからはランプやボックス、アクセサリーなどの小物を店頭に並べたいという依頼がほとんどで、随分とたくさん作りました。
と言っても僕はデザインをするだけで、実際に作るのは妻を含めたスタッフの女性たちでした。
しまいにはデザインもまかせて、僕はパネルに専念できるようになりました。
そんな様子を垣間見た外部の人から、「石戸谷さんは、ランプを作るのが嫌いなんですね」と言われたことがあります。
まあ確かに、細かい作業を延々と続けるのは苦手ですが、嫌いというわけではありません。
例えばランプにしても、誰かに教わった経験もなく、最初から最後までひとりで作りきるという機会がなかったため、未だに仕事は遅いし下手くそで、いまひとつ自信がないのです。
そういうわけで、僕がひとりで作ったランプはこれまでに数台しかありません。
(但し、妻の手伝いはあり)

そのうちの1台。
これは、ティファニータイプのランプとしては、僕が最初に作ったものです。
20数年前の作品で、写真も残っていませんでしたが、破損したということで最近修理の依頼があり、そのときに撮影しました。
確か2000ピースくらいあって、相当に時間がかかったはずですが、まだ若かったからでしょうね、大変だったという記憶はありません。
(妻が作ったからか、それとも忘れているだけか?)

同じお宅の2台目の注文。
和室に合わせて、よりあっさりとしたデザインに。
でも手はかかっています。
エッチングしたピースがあるのと、角の赤ガラスは炉で焼成して曲げています。

数年前に作った卓上ランプ。
注文主は、青色のガラスがお好きという年配の女性。
青い空を映す春の小川のイメージで作りました。
ほらね、ランプだってちゃんと作っています。
嫌いじゃありませんよお~。
![]()
ステンドグラスの人気ブログランキングに参加しています。
ポチッと応援の一票を入れてくれたら嬉しいです。
先月の事、数年ぶりのステンドグラスランプの注文がありまして、さんざん制作に手間取った末、やっとのことで昨日取り付けてきました。
「取り付け」というのはつまり、食堂テーブルの上に飾る吊り下げ型のランプだからで、構造上電気配線をし直す必要もあったからです。
電気配線がつつがなく終わり、御家族全員が見守る中、いざ”点灯式”という段階になって、電球がない!ということに気がつきました。
幸い近所に電気店があったので、電球を買いに走りました。
普段は、電球や蛍光灯を業者からまとめ買いしているため、店頭の電球売り場を覗くのは久しぶり、一昔前とは随分と様子が違うことに驚きました。
まず、白熱電球がないのです。
完全にないわけじゃありませんが、あまりにも少なくて目に付かないほどです。
2007年、政府は電機メーカーに対して「電力消費の多い白熱電球の生産・販売を今後行わない」よう要請する事を決めましたが、いくつかの大手メーカーはすでに生産を停止または縮小しています。
2012年末までには、既存のものと一部の例外的用途を除いて、日本の国から白熱電球が消滅することになっています。
「白熱電球」といえばエジソンを思い浮かべてしまいますが、エジソンは白熱電球の発明者ではありません。しかし、何故か日本では、彼が発明したと思っている人が圧倒的に多いような気がします。
これはエジソンの改良型電球のフィラメントに京都の竹を使用していたことや、エジソンが日本びいきだったり、日本人がエジソン好きだったりすることから定着した誤解だろうと思います。
白熱電球を発明したのは、イギリス人の物理学者ジョゼフ・スワンですが、1878年にイギリスで特許を取得し、エジソンは翌79年にそれを改良しました。
スワンが実験を始めた1848年には、フィラメントに紙を使用していました。その後様々な素材を試したものの特許取得時の炭素フィラメントの寿命は10時間程度でした。
翌年エジソンが使用した竹のフィラメントは1200時間という圧倒的な長寿命でしたから、確かに功績は大きいのです。
現代のタングステンフィラメントによる白熱電球の寿命は2000時間ほど、蛍光灯が6000~12000時間、LEDとなると蛍光灯の5倍くらいはもつと言われています。
僕は売り場の前でしばし佇み、消費電力と価格、世の趨勢を考慮し、何より施主の要望にお応えして、電球色蛍光灯丸型60W、398円なりを買い求めました。
蛍光灯が随分安くなりましたね。
LEDはまだまだ高価です。

そんなことはともかく、持ち帰った蛍光灯をランプの中心に納めて、今度こそ”点灯式”!、カーテンを引いていただきましたが、時は正午、外は晴天、部屋が明るくてこんな感じでした。
それでも施主さんには喜んでいただけましたが、夜になればまたあらためて満足していただけるのではないかと思います。

工房で完成したとき、ライトテーブルの上に置いた様子です。
ガーベラをモチーフにして、暖色系でという御要望でした。
めったに作りませんが、ランプもいいものですね。
![]()
ステンドグラスの人気ブログランキングに参加しています。
ポチッと応援の一票を入れてくれたら嬉しいです。
近頃ちょっとついてるなという感じがしています。
仕事上で使うデザインモチーフや材料が、必要なときに向こうからやってくるということが偶然にも何回か続いて、それがあまりにもドンピシャのタイミングなもので、「天の恵みだ!神様ありがとう」なんて感謝の言葉を思い浮かべたりもしました。
例えば、バラのデザインに取り掛かった時にはバラをいただき、ぶどうの時にはぶどうを、魚の時には魚をいただきました。(いただいてばかりですが)
デザインをする際に実物に接するというのは大切なことです。
よく知っているものでも、もう一度見たり触れたりすることによって、自分の中の何かが呼び覚まされる気がします。
他にも、ガラスが僅か足りない、どうしようと思っていたら、そのガラスの返品があったり、教室の生徒が一人減ったと思ったら一人入ってきたとか、今月末の支払いに〇万円足りないぞ!どうする?というピンチにピッタリその金額の臨時収入があったりもしていますから、誰かに見守られてるみたいな感じ、「神様ありがとう」という気持ちにもなりますよね。
先日は「カワセミ」を題材にした作品をという注文がありましたが、さすがにカワセミはやってきません。
カワセミのエッチングはこれまでに何回もやっていて、写真を見なくても描けそうな気がしますが、この馴れと思い上がりが作品を殺してしまうんだと自戒、川へカワセミを捜しに行くことにしました。
鳥の写真を撮ることは至難の業で、これまでほとんど成功したことがなく、今回は最初から写真は諦めて、せめて飛んでいる姿を見るだけでもということで出かけてきました。
よくカワセミの出没するスポットというのはありますが、そこでも必ず見られるというわけではありません。むしろ見られない確率の方が高く、この日も2時間余り渓流を遡って、カワガラスとシギに出会っただけでした。
熊に出くわす前に帰ろうかと思い始めたところへ、足元へなにやら動めくものが流れ着いたので拾い上げてみるとこれ、 セミです。
川面に落ちて溺れかかっているところでした。
近年、本州の都市部では消滅しかかっているという噂のアブラゼミですが、北海道ではまだ健在です。
虫の命を助けてやってちょっといい気分、足取り軽く帰途へつきかけて、はたと思い当たったのだけど、「川のセミ?これってカワセミか?」
神様、これは違います。
これじゃありません。
因みに、カワセミのセミは古名のソニ(青土)からきており、昆虫の蝉とは関係がありません。
カワセミのずんぐりした体型と蝉の形が似ている気がしますが、語源としては無関係だそうです。

神様の駄洒落に苦笑いしつつも、涼しくなった秋の渓流の様子を思い描きながら、カワセミのボックスが完成しました。
![]()
ステンドグラスの人気ブログランキングに参加しています。
ポチッと応援の一票を入れてくれたら嬉しいです。
ボザール・デザインビューローは
モンゴルにマツの植樹を行うことで
地球温暖化防止に貢献しています