「幸せになりたい」って誰もが思うことです。
でも何が幸せかは、人によって随分違うものですよね。
1983年の春、東京、赤坂のドイツ文化会館で催された「世界のメルヘンクラフト」展に出品することになった時、僕は即座に「青い鳥」を題材に選びました。
今にして思えば、この作品には様々な思いが込められています。
まず、1981年に帰国して以来、初めての創作であること。
初めての展覧会出品作品であること。
パリでステンドグラスの勉強をしているころから持ち始めていた”青”と”正方形”への執着を具現化したデザインであること。
フッ化水素酸によるエッチングという技術の可能性に気がついて、心ときめかせていたこと。
そして初めて売れた僕の作品でもありました。
チルチル、ミチルが1年もの間彷徨って捜し求めた青い鳥は、結局我が家にいたという、いかにも象徴的なストーリーは誰もが知るところで、”青い鳥症候群”なんて言葉も生まれたほどです。
でも”青い鳥”って一羽じゃなくて、たくさんいたっていいんじゃないか、っていうのがその当時の僕の考えで、それは今でも変わっていません。

色々な青い鳥を描いて、展覧会をすることにしました。
世間では、景気さえ良くなれば皆が幸せになれるようなことを盛んに言ってるけれど、これは大きな勘違いだと思う。
ありきたりのことを言うようですが、社会の豊かさ、人の幸せというのは金で決まるものではありません。
貧乏でも病気でも、頭が悪くて体力も無くても、ひねくれものでほとんど友人もいなくたって、それでもその人なりの幸せな生活をおくることができる、そういう”多様性”を認めることが最も重要なんだと僕は主張したい!(自己弁護ではありません)
「青い鳥」展は、
4月13日~23日まで、
江別のウッドいのうえで、
4月26日~5月22日まで、
函館のギャラリー村岡で、開催されます。
モーリス・メーテルリンクが1908年に発表した「L’oiseau bleu(青い鳥)」は、舞台で上演するために書かれたものです。しかしその後、童話や絵本として世界中に広まり、元々は戯曲だったということが忘れられているみたいです。
童話や絵本の結末はたいてい、青い鳥が実は自分の家にいたのだというところで終わっていますが、原作ではもう少し続きがあって、やっと見つけた青い鳥は飛んで逃げていってしまうのです。
原作の舞台では、最後にチルチルが観客に向かって訴えます。
「どなたかあの鳥を見つけた方は、どうぞぼくたちに返してください。ぼくたち、幸福に暮らすために、いつかきっとあの鳥がいりようになるでしょうから」(堀口大学・訳)
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近頃テレビで盛んに宣伝してますが、ティム・バートン製作の「不思議の国のアリス」が面白そうですねえ~。
子供の頃に読んだルイス・キャロルの原作は、しばらく悪夢にうなされるほど強烈な印象でしたが、1951年制作のディズニーアニメでは、面白おかしいおとぎ話になっていました。
今回の作品もディズニー映画ですから、それなりの脚色はしているでしょうが、テレビで見る限り、より原作に近いスケールの大きさと奇妙奇天烈な映像のようで、結構期待できそうです。
それはさておき、先月東京へ行った折、「不思議の国のアリス」を題材にしたステンドグラスを見てきました。
場所は、2008年に開通した東京メトロ副都心線新宿三丁目駅です。
作者は山本容子さん。
タイトルは「Hop,Step,Hop,Step]

山本容子さんは、2008年3月16日放送のNHK教育「日曜美術館」に出演し、小川三知のことを語られていましたが、内容が的確で、ステンドグラスのことをよく理解されているように感じました。
それで今回、その山本さんが制作したステンドグラスを是非見たいと思ったわけです。

光源が自然光でないのはいたしかたありませんが、それでも山本さんの絵付けの仕方には、光を調節しようという意識が感じられます。
ガラスカットや組み立てはプロのステンドグラス工房の協力を得ているのでしょうけれど、絵付けに関してはおそらくすべて山本さん自身の手で施されているでしょう。
試行錯誤を繰り返し、かなり練習されたのではないかと思います。
ただ設置場所に、もう少し離れて見るだけの”引き”がないのが残念でした。
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